過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

タグ : 普通食嘔吐

妊娠中、過食嘔吐再発

女性 その他 36歳 佐賀県

20年以上前、過食嘔吐を発症して学生時代をほとんど過食嘔吐に支配されて過ごした。なんとか大学を卒業して試験に合格、無事に働き始めることができた。当時の自分にとっては奇跡に近かったと思う。就職してから一生懸命働いて、仕事に夢中になった。つらいこともあったけど、仕事をしていると自分の存在が認められている気がした。
過食嘔吐する時間がなくなった。忙しくてそれどころじゃなくなった。ストレスで食べ過ぎることはあったけど、毎日食べ吐きすることはなくて、治ったと思っていた。
だけど、妊娠中、過食嘔吐が再発した。
きっかけは、つわりだったと思う。最初は普通の人と同じで、気持ち悪くて食べられなくなった。順調に?体重が減った。つらかったけど、初めて見る自分の体重。うれしかったのかもしれない。その後、つわりがおさまるとどんどん体重が増えた。昨今、産婦人科では太り過ぎないように指導される。自分が通ったクリニックは体重コントロールに厳しいと有名だった。どんどん増える体重。さらに、妊娠してからの倦怠感、眠気、集中力低下などで、自分の思うように仕事ができなくなった。ストレスが募り、食べる量が増えた。体重はどんどん増える。焦っていた。妊娠中期を過ぎたごろから、お腹が出てきて、食べ過ぎると胸焼けしたり、少し戻すようになった。吐くと体重が増えなかった。それから、食べたものを吐くようになった。同時に、また過食するようになった。最初は再発したと気付かなかった。妊娠中、体重を増やさない努力をしているだけ…。産んだらやめるから。
だけど、妊娠28週で切迫早産になった。身体が無意識に悲鳴をあげてくれたのかもしれない。仕事は全部休んで、入院になった。それから、2ケ月の入院生活。だけど、さらに、体重を増やせないプレッシャー、入院生活のストレス、加えて妊娠うつ?と思われるイライラ等で夫へのストレスが増した。病院から出る栄養がたくさんの、赤ちゃんのための大事な食事も吐くようになった。食べたい、太りたくない。食べたい。好きに食べられない…。お腹は張る。早産への不安。日々の葛藤、ストレスで、夫とまともに会話できなくなった。
赤ちゃんは元気に頑張って育ってくれた。ちゃんと予定日近くまでお腹にいてくれた。いつもわが子に助けてもらってばかり…。無事に出産することができた。
だけど…私は過食嘔吐を克服できなかった。産後、それまでたまった過食衝動が爆発した。一日に5-6回、過食して嘔吐した。さらに普通食も吐いた。産褥期、症状は悪化するばかり。
24時間続く子育ての合間で、過食して吐く。時間との闘い。寝る時間を割くしかない。子どもが寝たすきに過食して吐く。授乳する、オムツをかえる。抱っこしてあやす。合間に過食して吐く。この繰り返し。毎日があっという間に過ぎる。同じことの繰り返し。だけど、最近子供が起きている時にも症状が出るようになってきた。決して軽快しない、明らかに悪化している。この先、この子とどう向き合ったらいいのか、自分自身がどうなるのか、全くわからない。わが子に助けてもらってばかり、迷惑をかけてばかり。自己嫌悪に陥る。さらに過食がひどくなる。悪循環。
きっかけなんてどこにでもあるんだろうけど、妊娠・出産という人生最大のイベントは確実に病気に大きくのしかかる。ちゃんとどこかで向き合わないと。できるだけ早く。今は自分でどうすることもできない。わが子が、普通に、元気に、自分みたいにならないように。健やかに育つことを祈るしかできない。