過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

やりたいことも出来なくなる摂食障害

女性 会社員 36歳 A型 東京都
長くなるけど、摂食障害の始めまでさかのぼって書こうと思う。
16歳の拒食から摂食障害がスタートした。
受験勉強のため運動を休み少し体重が増加し、それが気になってダイエット。
食べないと親が心配してくれるのがうれしかった。
高校時代はずっと拒食。
食べないと頭が冴えて勉強がはかどり、親が心配してくれるのも心地よく常にテンション高め。
大学に入り、一人暮らしが始まる。
はじめは、ちゃんと食べようと3食自炊していた。
それが、だんだん食べても食べても止まらなくなり、あっという間に38kgだった体重が60kgに。
痩せたい一心で吐くことを覚え、よけいに食べたい衝動が強くなり、講義中も食べ物のことばかり考えて勉強どころではなくなって結局、中退。
実家に戻ってからは、ひきこもって一日中過食嘔吐。
過食費が欲しくてバイトをしたが、それでは足りず親の財布からお金を盗んだ。
絶対バレるような盗み方だったが何も言われなかった。
自分がイヤでリストカットもし、親のことも責めて暴れた。地獄だった。
何かしなきゃと思い自動車の教習所に通い始めたが、そのストレスかアルコールも飲みはじめ過食嘔吐とセットになった。
なんとか治したくて摂食障害についての本を読みあさった。
そして自助グループにつながり、自助グループに行くため上京したが結局、症状はと止まらなかった。
けれど気持ちは楽になり、自分を認められるようになった。
地元に戻り、地方版自助グループを開催。
あるときは、ダンスグループに参加し、症状をかかえながらも楽しくて久しぶりに人と深く関われた。
そのおかげか、だんだんと外にも出られるようになり就職した。
それでも症状は毎日、深夜まで過食嘔吐して仕事にいく日々だった。
ダンスグループの2回目の公演に向けての稽古途中、急に吐き気がして自然に吐いてしまった。
それから2~3日寝込み、症状のない生活を送った。
親が作ってくれたうどんを食べようと思ったら顎がガクガクして噛むこともままならなかった。
それまで、吐くことしかしていなかった顎が反応を起こしたのだろう。
そのとき、もういいやって思った。
それから過食嘔吐のない生活が続いた。
でも今から思うと、食べることは普通にはできていなかった。
カロリーを気にして、水分を大量に飲み、お腹いっぱいにしたりしていた。
それでも、だんだんと食べられる量は増えていった。
もともと料理が好きだったから、家族の料理の支度をして一緒に食べて幸せも感じた。
外食も多少はカロリーを気にするけど普通にできるようになっていた。
それがあるとき、ふと過食嘔吐をしたくなり、単なる気晴らしとして週末だけ楽しんでするようになった。
きっかけは何だったんだろう・・・不倫のせいかな。
会社内で二人と不倫してた。いい子いい子してくれるのがうれしくて。
そんな自分がイヤだったのかな。わかんないや。
あっという間に週末だけの楽しみもそれでは終わらず、平日仕事終わりに車の中で過食しながら過食嘔吐のための買い物。平日2~3回だったのが、ほぼ毎日になった。
2~3か月そんな生活が続いた時に友達の誘いで劇団に入り、そこで知り合った人と結婚。
知り合って3か月くらいのスピード婚。気が付けば、症状は止まっていた。アルコールも一切止めた。
結婚生活の間、数回過食嘔吐の衝動はあったが、すぐに立て直すことができたから再発だとは認めていなかった。
いろいろあって3年で離婚。そのときは好きな料理教室に通ったり充実していたので、自由にできると思って離婚がうれしかった。
好きな料理のことをしたくて上京。夢いっぱいだった。
それが・・・あなたなら料理の道で成功するよ、という周りからの期待、優等生と見られている自分の立場、生活への不安、付き合いのため始めてしまったアルコール、そんなことが重なって過食嘔吐が再発。
はじめは飲み会のときだけだったのが、週1回それが週2~3回、ついには毎日になった。
半年間でのことだった。
引っ越しで少なくなっていた貯金があっという間にギリギリに。
過食嘔吐するお金が必要で実家に置いてきた車を売った。
過食嘔吐のために愛車を手放した。
やらなくてはいけないことがいっぱいあるのに…好きな料理のこともできなくなった。
これを最後に止めようと何度思ったか。
年末年始で帰省した時も、これを機会に止めようと思った。
それなのに、親に隠れてこっそり過食嘔吐し、もうダメだと思った。
車を手放したのも大きな罪悪感として重くのしかかっていて、辛くて辛くて。
そんなときここにたどり着いた。
今度こそ疑似停止ではなく完治したい。
普通に食べて、おいしいねって笑いたい。