赤ちゃん、今度こそ治すからね
妊娠、出産と過食嘔吐/過食症再発
女性 会社員 28歳 埼玉県
妊娠するずっと前のこと。
テレビで過食嘔吐に苦しむ親子の特集を見ました。
その時初めて過食嘔吐による「世代間連鎖」を知りました。
その親子のコメントが、今思い返すとかなり奇妙でした。
「吐くために潤滑油代わりにマーガリンを食べます」
(これは本当に病気だわ・・・私はそんな体に悪いこと絶対にしないし!)
「吐きすぎて背中が痛いんです。夜、寝られないんです。」
(あれ?これはちょっと私にも思い当たる節が・・・でも寝られないことはないし!)
とにかくこの番組を見て「これはよろしくない!私は子供にはうつしたくない!」
そう思いました。
自分では症状をコントロールしているつもりでしたから、
「まぁ子供が産まれたらしなきゃいいしね」とあまり深く考えませんでした。
ちなみに過食嘔吐がお腹の子供の成長にまで大きく影響するとは
当時全く知りませんでした。
そして、結婚し、妊娠しました。
もちろん止められるはずがありませんでした。
私にとっての嘔吐は「体重管理+体調管理」の一環だったものですから、
子供に対して申し訳ない気持ちもありましたが、
「まぁ子供が産まれたらしなきゃいいしね」と、そんな感じでした。
一方で「子供が産まれたらこんな姿は見せられないよ」とも強く感じていました。
本当に止められるか・・・少しずつ不安になりました。
でも「そのうち止めなくても回数を少なくして、目立たなくしていけばいいかな」
なんて思ったりもしていました。
つまり「完治したい」と強く思うことが全くなかったのです。
子供は無事に生まれ、母乳の為にも健康にいい食事をしっかりととりました。
炭水化物と良質なたんぱく質は、体に良いこと、
またおっぱいになることがわかっていたので、おいしくたくさん食べました。
過食嘔吐の症状は出ませんでした。
今思い返すとこの頃は、今の「症状が止まって5日目」の私の気持ちや状態に
とっても似ていると思います。
とても前向きでしたし、育児で疲れても過食したいとは思いませんでした。
この経験があったから、私は現状「疑似停止中なんだ」という事を
強く意識できているのだと思います。
子供が産まれて1ヵ月半後、遠方に住む夫のお義母さんが1ヶ月間泊まりにきました。
お義母さんにはおっぱいの為に食事制限をしている旨を伝えましたが、
「今まで頑張って食事制限してきたなら、少しくらいいいんじゃない?」と
美味しくてこってりしたものをたくさん作ってくれました。
そして自分の分だからとお菓子や菓子パンをたくさん買ってきては、
ことあるごとに「どうぞ」と勧めてくるのです。
半月の間は別に欲しくなかったので間食はやんわり断り、
こってりとしたご飯はできるだけ少量を食べました。
しかし半月後、何かが爆発しました。
何でも食べたくなりました。
チョコレートも菓子パンも、むしろ何でもいいからとまっさらな食パンや
砂糖のついていないコーンフレークさえ、とにかく食べたくなりました。
お義母さんに隠れてお菓子や菓子パンを購入し、いない間やお買い物帰りに
食べあさりました。
そのうち、食べてないとイライラしたり、そわそわする様になりました。
1ヶ月後、お義母さんは帰っていきました。
気がつけば、産前+2キロだった体重が、+5キロまで増えていたのです!
そして、どうやっても落ちないのです。。。
子供の為に、食事を少なくできないし、
あまり多く吐けないから体重が落ちないのは当たり前かもしれません。
すごく焦りました。
イライラとそわそわがもっと激しくなりました。
赤ちゃんのためにも過食嘔吐は止めたい。
そして細くなりたい。
この機会にどうにかしなくては私は破綻してしまう!
だから初めて、他人の手を借りてダイエットしようと思いました。
耳つぼダイエットのサロンに行きました。
そこでその先生に初めて私が過食嘔吐の症状があると話しました。
結局ダイエットは成功し、過食嘔吐は止まりました。
はじめた当初はとても気分がよくて、楽しかったです。
でもクリスマスやお正月など、人が集まる席ではやはり食べ過ぎてしまいます。
一度「あぁ、もう食べすぎだ!」と思うと、
すぐに「もういいや!今日は吐く!また明日から!!」
という気になってしまい、食べ物のことで頭がいっぱいになってしまいました。
その一方で「体重は減った?間食はしてない?絶対しちゃだめよ。
吐いてないわね?」と聞いてくるサロンの先生に対しては
「大丈夫です!」と答えていました。
でもそれがだんだんストレスになってきました。
異様なイライラと食べ物に対する執着がもどってきて、
3日程イライラの中頑張りましたがもうだめでした。
異様にイライラして、食べ物が気になる。。。
以前とは比較にならないくらい。
「何か食べたい!」ってそれしか考えられなくなっていました。
そして、ついに嘔吐してしまいました。
嘔吐したのにもかかわらず以前の異様なイライラそわそわを超える、
イライラそわそわが襲ってきて、永遠と過食と嘔吐を繰り返しました。
赤ちゃんと遊ぼう、そう思うのに、食べ物に手が伸びる。
まだ彼女は何もわからないから、私の口のもぐもぐが楽しいみたいでじーっと見ている。
でも、これが普通のことだとこの子が思ってしまったら、
私たちはあのテレビの親子みたいになってしまうのかしら?
赤ちゃんが泣いている。
あやそうと思うのに、トイレに行くことが最優先。
泣いていることを無視され続けると、
赤ちゃんは一通りの泣き方しかしなくなるって聞いた事があります。
「この子もそうなってしまうのかしら?」
そしてそれは、言葉を話し始めても変わらず、
「親を信用できない子になってしまうのではないかしら?」
そんな心配が心の中を駆け巡りますが、それでも食べ物を探す目が止まらない。
掴む手が止まらない。食べる口が止まらない。。。
自分の意思より強いものが自分をコントロールしているみたいです。
本当に絶望です。奈落の底に落ちてしまった気がしました。
妊娠しても、出産しても、子供を愛していると思っても、
悲しいけどそんなことじゃ過食嘔吐は治らないし、
小さなきっかけでよりいっそう大きくなるんだと実感しました。
だから私は、この病気の完治がすごく難しいことをよく理解しているつもりです。
今少し這い上がってきたから、もしまた落ちたら本当にひどいことになるのも
わかっているつもりです。
たぶん「自分」というものが本当に無くなってしまうと思います。
心からそう思います。怖いです。
でも今回は今までとは大きく違うかなと思います。
それは今は「完治したい」と思っていることです。
それを支えてくれているのは、アファメーションの一節であり、
こうなりたいと思う完治の未来のイメージであり、
このセンターや掲示板とみんなの存在です。
長い文章を読んでくれてどうもありがとう。