過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

カテゴリ : 50代~

25年、過食症だったんだ

女性 主婦 53歳 愛知県
短大卒業後すぐ20歳で結婚。
大好きな人と結婚できるから、なんでもできるって飛び込んだ結婚生活。
それまでは父と母と兄たちに愛され、甘やかされ、何不自由なく暮らしてた。
舅・姑・義弟が自営で小さな工場をやっていた。
広い家と庭の掃除。
工場の手伝い。
3度の食事におやつに夜食。
そして子供たちが3人生まれた。
自分の美容院、買い物はもちろん、病院に通うことさえ制限され、怒鳴られ・・。
自由なんてまったくなかった。
夫が見かねて連れ出してくれても、帰りが遅くなろうものなら、私にだけ怒る。
何度、土下座して謝ったか。
お金も自由にはならなかった。
生活費もすぐ滞るし、それなのに自分たちは贅沢三昧。
家にいても、工場の機械音が絶えず聞こえ、その音で気が狂うかと思えるほどの嫌悪感が走った。
つねに「やせてやつれて病気になりたい」って考えていた。
健康だから、大丈夫と気づかれない。
ふっくらしているから夫は気づいてくれないと。
拒食から過食に移行したのはすぐ。
食べると一時的に救われた。
けれど太ることが恐ろしかった。
醜くなるようで恐ろしかった。
だんだんエスカレートして、贈答用に買った箱入りのお菓子を食べつくしたことも何度かある。
ちゃんと渡すんだと思っても、それを食べつくす。
その繰り返し・・・。
隠れて食べて、隠れて吐く。
地獄だと思った。
それでも吐ける時は良かった。
吐けなくなると、気が狂うほどに錯乱する。
子どもたちをどんなふうに育てたのか記憶がない。
子どもたちは「お母さんは忙しかったから」と笑って言ってくれるが。
私の頭の中は、食べること、そしていかに吐くかばかりを考えていた。
25年前は過食症という言葉も知らなかった。
何かの本でブリミアという症状を知ったとき、「これだ!」と思った。
しかし回復にはつながらかった。
一度その当時の新聞の人生相談に投稿した。
人生相談の答えに、きちんと字数を考えた内容に「あなたの頭のいいところ」とあった。
結婚してから初めてだった。
自分が誉められたこと。
嬉しかった。
でも、回復にはつながらない・・・。
そして25年もの歳月・・・。