過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

「普通」がわからない

女性 会社員 25歳 O型 兵庫県

もしセンターで相談を受けるか、迷われている方のために、
そして、自分自身の感情を整理するために、私の摂食障害のことを書きます。

————–

いつから過食症になったの?と聞かれて、もう
とっさに答えられないぐらい、この病気との付き合いが続いている。

きっかけは、よくわからない。
もともと、自分を許したり、愛するのが、苦手だった。
けれど、唯一、成果を出せば、結果を残せば、認められた。
そうして溜め込んだストレスの捌け口を求めるように、食事にのめり込んでいった。
そういうところだったのだろう。

最初は、置いてあるお菓子を漁る程度だったものが、
いつしか買い物カゴ一杯の食糧にさえ、満足できないようになっていった。

試験や論文が近づくと、狂ったように食べ物を求めた。
時には、コンビニを出て、そのまま路上で貪ることもあった。
あとで、死ぬほどの後悔を連れてくると判っていても、
その瞬間だけ、ストレスを忘れていられた。
その弱さが、また苦しみになった。

そのなかで、一番ひやりとしたのは、他人の眼だった。
昼食を食べていて、私が「普通」だと思う量に、
友達は、表情をなくした。

もう「普通」ではないのかも知れない。

うすうす気付きながら目をつぶっていたことを、あらためて痛感させられた。

けれどそのころには、どのくらい食べれば、食べなければ、
「普通」なのかわからなくなっていた。
わかったところで、自分を止めようとしても、止められなかった。
自分で自分を責めながら、食べることから離れられなかった。

そんな毎日が、何年も何年も続いた。
センターに出会わなければ、死ぬまで終わらなかったかも知れない。

本当に、恐い病気だと思う。

だからもし、電話をかけるか悩んでいる人がいたら、
ほんのちょっとだけ、勇気を出してもらえると嬉しいです。

いまのたった1ミリの勇気で、この先何百メートルも違った未来が、やってくるかもしれないから。