過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

一生隠し続ける恥ずかしい行為

女性 無職 32歳 愛知県
中学生の頃、人間関係のもつれで拒食症になってしまった。
高校に入って拒食はすっかり治ったけれど、
16歳の頃、3ヶ月ほどで10㌔も太ってしまい、とにかく焦る。
食べては吐く練習をしているうちに、簡単に吐けるようになってしまった。
18歳で体重がもとに戻り、いつの間にか吐く事はなくなった。
吐く事なんて忘れていたのに、20歳くらいの頃、
ただ食べ過ぎて苦しいな、と思った時に、前みたいに吐けるかな、と
やってみたら意外と簡単に吐けてすっきりした。
過食嘔吐するわけではないけど、
時々食べ過ぎた時は吐いて調整するようになり、
だんだんと癖になっていった。
食べすぎと感じたら吐く、でも栄養を残すために全部は吐かない。
だからそんなにひどく痩せる事はなかった。
専門学校を卒業し就職。念願のアパレルデザイナーになり、
毎日が忙しく終電で帰る日々。
手を抜く部分がわからずがんばり過ぎていた。
できない人間だと思われるのが怖かった。
一個でもダメだと全部ダメになる、そんな気がしてならなかった。
常に何かに脅迫されているような不安感。
できないと自分を責め、不安がピークになると普通食嘔吐。
胃をからっぽにすると、心の中の嫌なもの、身体の中の悪いものを
食べたものと一緒に吐き出せたような気分になってすっきりした。
仕事のストレスは限界、完全にウツになっていた。
夢の仕事について、初めて周りから認めてもらえる気がしていたから、
この職を手放すのが怖くて必死だったけど、
過呼吸になる事も増え、親を散々心配させ、限界の限界で退職。
1年間無職でいる間、ウツや不安症の方が問題で、
時々する普通食嘔吐は病気とも思っていなかったし、
何の問題とも思っていなかった。
1年ぶりに就職。やった事もない事務の仕事だったけど、
社会復帰のリハビリのようにゆるい会社で、毎日定時で帰れる事が有難かった。
家族で夕飯を食べれる事も、ゆっくりお風呂につかれることも、
仕事の帰りに寄り道できる事も、今までできなかった事ができる幸せ。
当たり前の日々が当たり前じゃないんだな、と感謝するうちに心も安定していった。
彼氏もでき、素敵な友人、仲間にも恵まれ、
趣味の活動に忙しく、イキイキと3年間嘔吐の事など忘れて過ごしていた。
28歳頃から、彼氏とのすれ違いのイライラ、仕事のイライラ、
何かとストレスを感じると異常な食欲を感じるようになって、
食事は吐かないけど、間食にお菓子をいっぱい食べて吐くようになった。
満たされない欲求があると、食べて吐く。
だんだんとエスカレート。1日1回、週3~5回。
お腹いっぱいにして吐かないと、勢いよく吐けないって理由で、
一回に食べる量も増えていった。
だんだんと止められない怖さ、異常さに気づく。
普通食は自然食で、健康的なものを食べているのに、
間食で真逆な物を食べては、ストイックに嘔吐。
お母さんの作ったご飯は吐けないけれど、
添加物の入った加工食品などは、全て吐く前提で食べる。
この異常で恥ずかしい行為を隠す後ろめたさ。
一生コソコソこんな事していくのかな・・・、と怖くなった。
精神を安定させる目的で始まった過食嘔吐が、今じゃ精神を不安定にさせている。
今頃になってやっと、過食嘔吐が病気であると認識した私。
ここにたどり着いた今がタイミングなんだ、と見えない導きに感謝している。
私は過食嘔吐の克服を通して、人生の大きな学びができるんだ、って、
前向きになれた事が、大きな変化だと感じてます。
あぁっ、すごく長くなっちゃったー。。。
けど、繰り返さないために過去を振り返ることも大事。
もう過去を振り返っても、過去に縛られたくない。
未来を創造できる可能性を無限にもってるだもん。
だから、いらないものをどんどん手放して、絶対に治すんだー。