一ヶ月でまさかの7kg増
女性 無職 28歳 大阪府
拒食と過食を繰り返して5年になります
今振り返ってみると、それまでのわたしは健康そのものでした
思春期に太り、成人してやせ、周りひとの「太ってる」「やせたね」のことばに一喜一憂しながらも、すきなものを、がまんせず、おいしく食べていました
食べることがすきでした
きっかけは過度のダイエットです
161cm・50~52kgだったわたしは、自分が太っている意識はなかったのですが、当時のバイト先の女の人は細い人ばかりで、ぽっちゃりだねっていつも言われていました
それがばかにされているように聞こえて、初めて本格的なダイエットを決意しました
当時本屋さんに平積みされていた「一週間の炭水化物・糖分・脂肪分一切ぬきダイエット」に挑戦しました
朝はグレープフルーツ
昼と夜は野菜と肉(または魚)をすきなだけ
調理に砂糖・油を使わない
という、わりと簡単なダイエット方法でした
一週間で、マイナス4kgに成功しました
今までどうにも辿り着けなかった40kg台になれました
周りのひとや恋人、バイト先のひとにも「やせたね」って言ってもらえて、がんばってよかった!!とこころの底から喜び、体重維持、むしろもっと減量に励みました
それから徹底的に食べ物のカロリー表をチェックしました
食べ物を買う前に必ずパッケージの裏面を見ます
カロリーはどれだけか、炭水化物はどれだけか
一食で500キロカロリーを越えないか
炭水化物は許容範囲か(あくまでわたしのなんとなくの数字です)
食べ物日記もつけました
わかるものは必ずカロリーも記入しました
朝夜2回必ず体重計に乗りました
100グラムでも減っていたいので、朝から全裸になり、息を大きく大きく吐いて、何度も体重計に乗って誤差を確認しました
血の滲む苦労のかいもあり、ダイエット直後の48kgから、45kgまで体重を落とすことができました
今まで入らなかったSサイズのお洋服がするっと入る!
走ってもからだが軽い!
ダイエットってこんなに人生変わるんだ!
わたしみたいに努力しないひとはみんな美意識が低いんだ!
あなたは自分がデブって気づいてないの?だからデブなんだよ!暑苦しいんだよデブ!!
と、街や電車で見かける知りもしないふくよかなひとをこころのなかで罵りました
ともだちのことさえ罵りました
舞い上がってほんとうに毎日スキップして踊り出したい気分でした
そんな生活が半年ほど続きました
夏休み、通っていた専門学校の海外研修で、ヨーロッパに10日ほど旅に出ました
毎日団体行動、毎日旅行プランのコース料理が続き、その間、自分で食事の量をコントロールできませんでした
帰国して、すぐさま体重計に乗りました
約3kg増えていました
大丈夫、今日から炭水化物抜いたら大丈夫
と、予定外の大幅な増量に狂いそうなこころを一生懸命なだめ、再びダイエットをしようとしました
しかし、旅行の後半あたりから、わたしはやたらパンを食べ、がまんしてもどうしてもパンを食べるのをおさえられなくなりました
旅行で食事のリズムを崩されたんだと思いこんでいましたが、ここが拒食から過食への入口でした
なんとか増量を食い止めようとしても、少しずつ体重は増えていきます
恋人に「肥えた?」「おなかまんまるやん」などと、心ないことばを浴びせ掛けられました
我慢の限界に達したわたしは、どう考えても食べられない量の食べ物を、凄まじい速さで、おなかがパンパンになるまで食べるようになりました
あっという間に、ダイエット前の52kgに戻ってしまいました
太った自分を鏡で見て号泣しました
それでも過食は止まらず、一週間に一度ぐらいだった過食は、どんどんペースが速くなり、すぐに二日に一日のペースにまでなりました
太ったことにごまかしがつかなくなってくると、ともだちの会話がすべて、わたしが太ったことを話しているように思えました
街や電車で見る知らないひとたち全員が、太っているわたしをこころのなかで罵っているように思えました
外出も苦痛になり、できる限りひきこもりながら、それでも過食を続けました
たくさん泣きながら口に詰め込みまくりました
それなのに一日中、頭のなかは食べ物のことでいっぱい
食べていても次に何を食べようかばかり考えてしまう
この異常な食欲は病気だと思いました
あまりに気持ち悪くて、吐きたい気持ちでいっぱいでしたが、吐きませんでした
嘔吐のことはなんとなく知っていたので、「ここで吐いたら本当に戻れなくなる!吐かずに自分で止めなきゃ!」という危機感があり、吐けませんでした
あっという間に60kgにまでなってしまいました
高校生のときに見たきりのマックス体重です
6kgやせて14kgリバウンド…
毎日が絶望的で、電車でも授業中でも、ところかまわず泣きました
そんな暗い気持ちのまま就職しました
職場にはやせていた時のわたしを知っているひとはいないとわかっていても、どうしても周りの目が気になりました
人目が気になるあまり、お昼のお弁当は全然食べられないのに、なぜかパンパンに太っているわたしを、きっとみんな影で笑ってると思いました
悲しくてまた過食していました
わたしは熱心にジムに通い、なんとか56kgまで落としました
それでもまだ追い掛けてくる過食衝動
がんばればがんばるほど過食したい気持ちでいっぱいになりました
そんなジム通いもむなしく、わたしはまた過食の波に飲まれ、再び60kgを見てしまいました
もう死にたい明日死にたいほんとうに生きることに疲れてしまった…
藁にもすがる思いで、心療内科に行きました
過食で訪れた病院で、うつ病と診断されました
過食よりもっと深刻(だと思っていました)なうつ病になってしまった…
母や恋人になんて言えばいいのか…
その日から、わたしの依存が、食べ物から薬に移りました
過食はぴたっと止みましたが、うつ症状はどんどんひどくなりました
仕事に影響が出すぎたため、やむなく一年後に会社を辞めました
そのころには体重は42kgにまで落ち込み、体型に不満はなかったのですが、上司に「あの子は精神より肉体が先に死ぬぞ」と陰口を言われていました
やせたらやせたでそんな陰口を言われるとは思わなかったので、ほんとうにショックでした
自宅療養~社会復帰まで2年かかりましたが、ちょいちょいとプチ過食とプチ拒食を繰り返し、48kgが標準になりました
ここ一年、大きな過食もせず安定していたのですが、派遣で働いた会社が残業続きで、ストレスが溜まりました
毎日夜遅くに退社したあと、帰り道のコンビニでおやつをたくさん買い、電車のなかでも構わずもぐもぐしていました
わたし今細いから、おかし食べててもきっと誰もばかにしない!
と、またも醜いこころで調子に乗っていました
3月末で契約は満了になり、わたしは無事、社会復帰への希望と自信をつけることができました
晴れて無職になった4月、恐る恐る体重計に乗ってみると
一ヶ月でまさかの7kg増…!
あの絶望の過食の日々ですら一ヶ月に2・3kg増だったのに!?
ショックを受けると同時に、また激しい過食衝動が襲ってきました
もう昔のように泣きたくない!
また絶望的な毎日を送りたくない!!
と強く思ったわたしは、またもや藁にもすがる思いで、ここにメールをしました
少しずつ衝動がなだらかになり、現在54kgです
今までの人生では少し太めですが、そんなことよりも、健康になりたいです
また食べることがすきだった昔のきもちを取り戻したいです
うまくまとまらなくて長くなりました
読んでくれてありがとうございました