過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

32kgでも太ってると思ってしまう病気の心

女性 20歳 静岡県

中学、入学から半年で、登校拒否。
ある子との関係が悪くなった。
小学校高学年から、一緒だったその子。
何故自分を執拗にいじめてくるのか分からなかった。
今思えば、家庭環境の問題の腹いせだったんだと思う。
離れたかった。でも、クラスが一緒になった。
登校から下校まで私に、これでもか、これでもかってぐらい
執拗に攻撃してくる日々が続いた。
1日だって、止まることはなかった。

そんな生活に耐えられなくて、心身が故障したんだろう。
学校へいけなくなってしまった。

自分の存在を呪った。
産まれたくて産まれたわけじゃない。
生きたくて生きてるわけじゃない。
誰か私を殺して。死にたい。

3年の終わりに、相談室へ行きはじめ、なんとか、高校へ入学した。

高校。
変わろう。頑張ろう、そう思った。

でも、人が恐かった。
今まで、一人で、いたのに、急にたくさんの人の中にいる自分に戸惑った。
何を話していいか分からなかったし、何て答えればいいのかも分からなかった。
どんどん、グループが出来ていき、私もとりあえず一つのグループにいた。

でも、周りに合わせて必死で、外されないようにしている自分を感じてた。
常に、何かに怯え、ビクビクして、自分を良く見せようとする、偽善者の私がいた。

そんな私を評価されても嬉しくなかった。
こんなの私じゃない。
でも、やっぱり、普通じゃない私はなんか浮いてた。
心からリラックスして話てない。
いつも緊張でガチガチしてる。
どうして私は普通に慣れないだろう・・・
でも、頑張った。部活も勉強も。
でも、燃え尽きた。空が灰色に見えた。
意欲が低下して何にも手につかなくなった。
いつも虚ろで抜け殻のようになっていた。
高校も中退…。

周りからも冷たい目でみられた。
何にも出来ない自分。
何のとりえもないし、自分なんて誰の役にもたたない。
周りから評価されることでしか自分の価値を見出せない自分。
自分で自分を評価してあげられない。
自分を否定する言葉はたくさん思いつくのに、自分を認めてあげられる言葉は出てこない。

精神が病んでいき、精神病院に1ヵ月入院した。

ある日、食堂にいくと、私の隣に、新しい人がくるという。
どんな人だろう?楽しみだった。

食事がくると、その人は、「えっ!こんなに食べきれない」と言って、半分以下しか食べなかった。
私は、全部たべきっていて、周りの人もそうだったので、それが当たり前だと思っていたのにショックを受けた。
急に、自分が卑しい人間に思えてきた。
その人は、痩せていたし、優しかった。
私もそんな風になりたかった。
痩せれば自信が持てると思った。

退院後、家で、ダイエットが始まった。
カロリー計算して、肉、油もの、お菓子は徹底して食べなかった。
炭水化物の量も減らし、体重はみるみる落ちていった。
グラフをつけたり、食べたものをノートに書いたり、体重が落ちていくのが楽しくて楽しくてたまらなかった。
パンパンで入らなかったジーパンぶかぶかになり、細いジーンズがピッタリになった時には、今まで感じたこともないような高揚感を感じていた。

周りからも痩せたね、スリムだね、とか言われて、そんなことないよとか、言いつつも、内面、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

でも、そんな幸せも長くは続かなかった。

じわりじわりと過食の地獄が近づいていた。

私は、次第に食べたら、止まらなくなる自分に気づいていた。恐怖だった。
いつも体重を気にしてた。
1kgでも、太ったらダメ!!
また、醜い元の私に戻っちゃう。
神経キリキリ状態。
過食→後悔→罪悪感→絶食→過食・・・
無限地獄に落ちていった。

周りは、痩せてきた私を、心配してた。
でも、私は「どこが、痩せてるって!?太ももだって、まだ太いし、私はまだ太ってるの!もっと痩せてきれいにならないと」と思ってた。

ある日、お父さんから、「頼むから、1回病院行ってくれ、それで、なんともなければ俺はもう何も言わない」
そう言われて、病院へ行った。
痩せてるとかそう言われるのが癪に障ってた。
私はまだ太ってるの!
1回病院にいけば、もう、そんな馬鹿げたこと言われなくて済む。

検査の結果、なんともなかった。
「ほら言った通りじゃん!なんともないって!馬鹿じゃないの!」
私は反発し続けていた。
でも、過食は、続いていた。

半年そんな状態が続き、私自身耐えられなくなってきた。
そこで、病院に予約をとり、そこから、紹介され、市立病院に・・・。

即入院。
この時、32kgだった。
それでも、まだ痩せたかった。
その状態を維持したかった。
1kgでも増えたくないし、増やしたくない、もっと痩せたい。減らしたい。

頭は、常に食べること、食べ物のこと、体重のこと、それ以外なかった。

でも、退院後から、過食地獄。
絶食も出来なくなり、食べ続けるだけになってしまった。

ダイエット時に、禁止していた、炭水化物も油ものも肉も
お菓子もジャンクフードも全て食べて詰め込み続けてしまう自分が嫌だった。

吐きたいのに、吐けない。
食べないようにしようと思っても食べてしまう。

頑固な便秘症の私は下剤を飲んでも思うように効かず、苦しむだけ。
体重は増え続けるだけ。
毎日、胃は悲鳴をあげてる。
それでも、止められない。

何か他の事で、自分に自信を持てたら良かったのかなぁ・・・。
痩せることに自分の価値を見出してしまったから、今も強烈に痩せることに執着してる自分がいる。

痩せていなくちゃ、ダメなんだ!
痩せていない自分は自分じゃない。
こんな、デブで醜い私は価値がない。
もうダメだ。嫌だ。死にたい!!
人の目を気にして生きていて、自分を認めてあげられないこと、自分に自信がないこと、自分に価値がないと
思ってしまうことが一番の原因なのかな・・・
分からない。

他にも、家族関係とかいろんな原因があるのかもしれない。
まだ、暗くて長い闇のトンネルにいます。
長々と申し訳ありません。
私もまだ自分の気持ちが整理できません。
早く原因を解明して、1日も早く回復に向けて歩けるようにしていきたい。

※摂食障害の患者さんは良い治療を受けてもマイナスな受け取りをする傾向があります。
あくまで参加者の感想であり、センターの立場とは一切関係ありません。