過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

どんどん深みにはまる

女性 自由業 30歳 兵庫県

私のきっかけは、高校時代の部活(柔道部)の減量からだと思います。
大会前は、減量減量で身体を絞り、毎回5キロくらい体重を落としていました。
もちろん栄養バランスを考え、食事制限、運動などをするのですが、
いつからか、「もっと落としたい、もっと落として下の階級に出場したら優勝できる」
などと考えるようになり、過度の減量をし、拒食のような状態になってしまいました。
食べたくても胃が受け付けない、身体はエネルギーが欲しいって叫んでいるのに、
わたしは断固としてカロリー摂取を拒み続けました。

当時、大好きな男の子がいました。同じ柔道部で、光ってた。
とても強くて優しくて、細身だった彼が本当に好きでした。
はじめての人でした。

今考えると、いつも優勝候補の彼に認められたくて、
減量し続けたのだろうと思います。

そして、折りしもの阪神大震災。
家族中で家具の下敷きになり、自宅は半壊。
ご近所の人たちが多数生き埋めになり、なくなっていく姿を見ました。
助けを求めているのに助けられなかった…
苦しんでいるのに、救ってあげられなかった…
無力な自分を責め、何も出来ない自分自身を拒絶しました。
そしてとうとう入院。体重を戻し、拒食症を克服し(?)退院。
(できていなかったのだけれど)

入院中、摂食障害の人たちの中で過食嘔吐を覚え、
深みにはまりました。拒食の後は、過食と過食嘔吐の日々。

何とか立ち直りたくて、大学はアメリカに留学しました。
アメリカで、真っ白な土地で、何もかもやり直したかった。

でも、何も変わらなかった。
アメリカは大好きだったし、大学もほんと楽しかった(と思う)
でも食生活はメチャメチャ。
もともとよく食べる私は、膨大な食べ物、
アメリカンサイズの食べ物に、どっぷりはまってしまい、
過食嘔吐から抜けられなくなりました。

帰国後、出版社へ就職し、病院めぐりもしました。
今度こそ再スタートしたい、過食嘔吐を克服したい。
わらにもすがる思いでした。

ですが、配属先が「グルメ情報紙の編集部」
グルメライターとして、日々食べ歩く環境は、
私にとって、過食嘔吐を悪化させるサイアクの環境でした。
(あくまで私の場合ですが)

過食嘔吐は習慣になり、これをしないと1日が終わらない日々になりました。
仕事中で食べ続け、帰ってからも食べ続け、吐き続ける日々。
残業、残業、休みなしの状況で、身も心もボロボロになり、
身体は悲鳴を上げているのに、深夜の過食は止められない。

どんどん深みにはまり、そして、どうあがいても
この習慣を断ち切ることが出来ず、抜けられなくなりました。

様々な過食の治療を受け、自分でも何度も努力しました。
様々な問題点、原因(幼少の頃、家族のこと、自分の考え方など)も
考え、カウンセリング、ミーティング、何でもしました。

でも、ダメだった。
何やっても私には克服すること、出来なかった。
私は、どういわれても、やっぱり自分の意思が弱いからだと思ってしまう。
意思の問題だと、思ってしまう。