過食症と過食嘔吐 心の声を聞いて

食べたいけど食べたくない。普通に食べられない。
過食症になってからのみなさんの体験談をまとめました。

カテゴリ : 40代

家族の協力があっても、隙間を見つけて出てくる過食衝動。

女性 会社員 46歳 O型 神奈川県

以前、母が過食出来ないように色々と協力してくれました。
すぐに食べられるお菓子やパンを箱に入れて毎晩母の寝室に置いたり、台所のドアに鍵を付けたり、台所に行くまでの通路に突っ張り棒を何本も張って行けなくしたり。毎日毎日寝る前に箱に詰めたり突っ張り棒を張る作業を行っていました。
半年間続き、その間は過食が嘘のようにピタリと止まっていました。

もちろん台所には行かれないし、食べるものにも手が出せないという安心感もありますが、一番の理由は、母が協力してくれたことが嬉しかったからだと思います。
母の「助けてやりたい」という気持ちが伝わり、勇気が出て、前向きな気持ちになれました。
その時自分は、「もう大丈夫。過食は治ったんだ。」とか「これからも毎日これを続けていけば過食しなくて済む」と思い込んでいました。

ところが半年を過ぎた頃、治ったと思っていた過食症が再発したのです。
お正月実家に姉夫婦が来た時のことです。
おせち、その他のおかず、お菓子など久しぶりに見る色とりどりのご馳走が並べられ、それを食べている時何かが音を立てて崩れ始めました。頭の中で「こんなに美味しいのすごく久しぶり!たまにだから、今日ぐらいいいか。」という思いがよぎりました。

姉達がいる前では皆と同じくらいの量しか食べませんでした。
夜中は台所に鍵を掛け、突っ張り棒も張って過食はしなかったのですが、朝は母が太極拳に行く為その間に冷蔵庫を開けてお正月料理の残り物を物色していました。ちょっとぐらいならいいかなと、お皿に少し乗せて食べてしまいました。

そして美味しくて2つ、3つ・・・と止められなくなり、全部食べたらマズいので残ったお菓子にも手を出し始めてしまいました。そろそろ母が太極拳から帰って来る頃なので、お菓子は部屋に持って行って食べました。

お正月休みの期間と土日の休みの朝は、母のいない間に食べてしまうということが続きました。
治ったと思っていたのにどうして?!とショックで目の前が真っ暗になりました。

半年間過食が止まっていた時は、根本から治っていたわけではなく、過食の元となるエネルギーがまだある状態にも関わらず、過食のスイッチが一時的にOFFになっているだけでした。

そして過食が治ったんだという思い込みをし、このまま自力で止められるという大きな勘違いをしていました。
根本が治っていなかった為に、お正月で気が大きくなり、再発を免れなかったのです。
その後はもう治す手立てを失いどうすることもできず、半ば諦めていました。もう過食症を治すことは出来ないんだ・・・と。